土壌消毒なし きゅうりの青木さん | フィールドテスト事例

土壌消毒なし きゅうりの青木さん

aoki.jpg ・ハイエット使用して10年以上。
・30年以上土壌消毒一切なし、減農薬栽培。
・ハウスきゅうり28aを栽培、ハイエットは育苗の土壌散水とハウス潅水に使用。
・冷蔵庫で一ヵ月たってもシャキッとしているミネラルは日持ちのキュウリ。
・収穫して、キュウリは半分に手で割り、キュウリをくっつけても落ちない。

『園芸新聞』に掲載されました

園芸新聞 2007.06.07 掲載

分子振動活性装置「ハイエット」で27年間土壌消毒なし

青木久治さん 施設園芸ではなんらかの方法で土壌消毒をしなければいけない。いままでは一番手っ取り早くは薬を使用するかあるいは太陽熱消毒をすることだった。ところが、福島市の青木久治さんは日本創造エネルギー研究所の分子振動活性装置「ハイエット」を通した水をかけるだけでキュウリを27年間連作しており、ネコブセンチュウなどを回避しているという。いまどき信じられないような話である。

父の代からキュウリ作り 土壌消毒は癖のようなもの

 福島市岡島といえばかつてはキュウリの大産地で、最盛時には270人ぐらい生産者がいたそうだ。ところが都市化が進んだことと、就業者の高齢化が進んだためいまでは露地を含めても100人足らずになってしまったようだ。
  青木さんが日本創造エネルギーと知り合って12年くらいになるそうだが、それ以来、土壌消毒は全然していないという。はたしてそれでもキュウリが作れるものかという疑問を感じないではいられない。その真疑を確かめた。
  サラリーマンをやめてキュウリ作りを始めた1年だけはDDで土壌消毒をした。「その頃に江井兵庫先生の土づくり講演会があり、微生物は土にもいいが人間の体にもよいという話でした。みんなは堆肥としての効用ばかり効いたみたいでしたが、私はこれを使って病害を克服することができないかと考えたんです。それとハイエット水をかけることによって連作を回避しようと思いました。ですから、キュウリは接ぎ木はしていますけれども、土壌消毒はまったくしていません。
  1年目はなんとなく不安もありましたけれども、2年目、3年目になると様子が全然違ってよくなり、やめればやめるほどキュウリが良くなったんです。
  土壌消毒は癖のようなもので、1回やったら必ずといっていいいほど続けてやるようになってしまうんですね。鳥肌がたつぐらいネコブセンチュウが出ますが、うちの場合は根っこを抜いてみると小さな粒が先端に付いているのをたまに見るだけなんです」

ハイエット水に種子を浸漬 発芽がすばらしい

 促成キュウリと無加温キュウリのハウス70アールのほかに露地キュウリを10アールほど栽培している。それと後作に抑制が入るが、その苗を作る頃が露地の最盛期と重なるために露地の面積は減らした。その分抑制は1ヶ月くらい早くなっているが、値段はそのほうが安定している感じだという。
  品種はグリーンラックス2、台木はゆうゆう一輝白で、12月9日に播種、1月12日と15日の2回に本枚2枚半か3枚ぐらいの苗を定植した。株間33センチ、10アール当り換算で1500本が入っている。
  促成ハウスが2ヵ所、無加温のハウス1ヵ所の3ヵ所に分れていて、促成のほうに「ハイエット50型」が、また、無加温のほうは最初の頃に売り出した「ハイエット」の板状のものを取り付けている。
  潅水、消毒、葉面散布のほかに種子の浸漬にも「ハイエット」を使用している。その方法は「ハイエット水」をバケツに汲んでおき、袋に種子を入れて水が入らないようにし、一晩浮かべておく。「ハイエット」の振動エネルギーが種子に入ると発芽がめっぽうよくなるし、サラサラして播きやすいそうだ。
  育苗箱にも3日ぐらい前から「ハイエット水」をかけておき、播種してからも潅水する。接ぎ木後には萎れないていどに潅水をするという。

適宜に追肥 消毒は最小限に

ハイエットを取り付けた状況と元気を保っているキュウリ 本圃に施用する堆肥はもみがら堆肥だが、これは前年に通路へ敷いたのをすき込むだけで、反当120袋ぐらいになる。窒素がすごく吸われているような気がしたので今年はもみがらを通路へ敷くのはやめたそうだ。
「窒素分はみんなの半分ぐらいしか入っていないと思います。去年は15キロでしたが、今年は12キロぐらいです。リン酸はボカシの中に含まれる成分で10キロぐらい、加里は5キロです。地域の人達はこれの3倍から4倍ぐらい入れているかと思いますが、私のところはもう少し入れたほうがよかったかなという感じがしています。でも4月まではよくて、果形がすごく素直でした。これから後半とって行くには追肥で行こうかなと思っています」といっている。
  追肥にはトミー液肥を使っている。2月ほとんど無し、3月は月に1~2回、4月は月3回、5月は週1~2回のローテーションで施用している。
  農協からは5月に入ったら極端に多目にするようにとFAXが入ってくるが、「ハイエット」を使っていると4月までは少しくれるだけでキュウリのなりがいいみたいだという。「でも木に疲れがきますから、そのときはちょっと余計にくれたほうがいいかなと思っています」とのこと。
  葉面散布は尿素系のあまり値段の高くないものを使用しているそうだ。今年は消毒回数を多くやっていない。消毒のつど葉面散布を行うので、2月1回、3月2回、4月2回やったていどしかやっていないという。

アブラムシは完全排除 ミナミキイロアザミウマも

  定植後の潅水は蔓上げするまではホースを引っ張って株元に潅水するいわゆる手潅水だが、蔓上げ後はパイプ潅水に切り換える。よほど乾いているときはベッドに潅水チューブを2本入れており、その真中にきゅうりが植えてあるので、両肩が湿気るくらいに潅水をするという。もちろん、「ハイエット水」を使っている。
  岡島地区では最近、ナミキイロアザミウマが増えているそうだがそれも入らない。ニガウリを作っている人が多く、その花につくらしい。そのほかではアブラムシというどんこ病防除が主体だそうだが、「ハイエット」を使うとアブラムシは完璧に防除できると日本創造エネルギーはいっている。
  「アブラムシというくらいで、からだを油で覆っているが、ハイエット水はそれを溶かす性質を持っているんです。アブラムシが死ぬんではなくて、どこへ行ってしまうらしいです」と寄避効果を強調する。
  青木さんもそれを認めており、次のようにいっている。「抑制キュウリの場合は夏定植する前からハウスのサイドを開けておきますが、アブラムシは入ってきません。たしかにこれは大きい特徴かもしれません」
  前々号で紹介した栃木県二宮町でイチゴを栽培している新山文さんも展着剤に「ハイエット水」の千倍を混ぜてそれを散布しておくと本当にコナジラミなどは完全に除去できるといっている。

太陽熱消毒しない ネコブほとんどゼロ

ハイエット水を使っている土壌  加温ハウスは6月いっぱい、無加温ハウスのほうは7月20日ごろに収穫終わる。一般の人はそれからが土壌消毒にかかるが、冒頭ふれたように青木さんは全く土壌消毒はしていない。
  「よその人は土壌消毒はするもんだと決めてかかっており、中には太陽熱消毒をする人もありますが、私はまるっきりしていません。それもこれもハイエットを使っているからだと思います。ただし、江井先生の講演を聞いてから微生物資材だけは欠かさずに使っていますがね。日本創造エネルギーに土を送って調べてもらったことがあるんですけれども、放線菌はいっぱいいるけどセンチュウ類はいないといっていました。それでいまなお、こういうキュウリがなっているわけですし、収量だって決して少なくはありません。
  しかも栽培コストは節減になっているし、省力にもなっています。80歳を越した父が健康で、朝から夕方まで働いてくれていますから、こんなに嬉しいことはありません。ハイエット様々と感謝しています」と青木さんはいっている。


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